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ご飯を食べている時に、愛犬が欲しそうにこっちを見ている…。
「あげたいけどこれって犬も食べて良いものなの?」
わんこがお家にいると、1度は必ず疑問に思いますよね。
そして、可愛さに負けて「少しだけ…。」とあげてしっまった経験がある方も多いのではないでしょうか。(私です笑)
ですが、犬と人とでは消化や吸収、分解といった、体内で行われる能力に差があります。
中には、犬が食べてしまうことで命に関わる危険なものまで…。
『じゃあその食べてはいけない物って具体的に何?』『もし食べてしまったらどうなるの?』
『もし食べてしまった時はどうすれば良いの?』
そういった疑問にお答えします!
私は以前、動物看護の専門学校に通い、その後3年ほど動物病院で働いていました。
また、現在は犬を2頭飼っており、2頭とも今のところ病気ひとつなく健康です。
犬が食べてはいけない物

①チョコレート
チョコレートに入っているテオブロミンという成分が、犬の体内で十分に代謝、排出されずに蓄積される事によって、中毒症状を引き起こします。
○主な症状:痙攣、嘔吐、下痢、動悸、呼吸困難など。
②玉ねぎ、ネギ類
これも、「アリルプロピルジスルフィド」という有害物質が、体内の赤血球を破壊し、貧血を引き起こします。
○主な症状:初期は嘔吐、下痢。それから粘膜蒼白、頻脈、血尿など。
③ぶどう、レーズン
ぶどうやレーズンには、腎毒性があり、少量でも『急性腎不全』を引き起こしてしまいます。
これを別名「ぶどう中毒」というので覚えておきましょう。
○ぶどう中毒の主な症状:嘔吐、下痢、食欲がない、腹痛、尿量の減少、又は出ない。
→さらに重症化すると、呼吸困難、痙攣、意識障害、最悪死に至ります。
④ユリ
ユリも、ぶどうやレーズンと同様『急性腎不全』の原因になります。
また、チューリップやカサブランカ、ヒヤシンスといった ゆり科の花もNGです。
花粉を舐めることでも症状が引き起こされるので注意が必要です。
⑤ナッツ類
特に、マカダミアナッツはカロリーが高く、消化しずらい為、消化不良の原因になります。
○主な症状:嘔吐、下痢、元気がない、後ろ足の麻痺、運動失調(筋肉は動かせるが、バランスが取れず上手に歩けない)
⑥アボカド
アボカドに含まれる「ペルシン」という物質が消化器系や心臓に悪影響を与えます。その上、高カロリー高脂質なので注意が必要です。
また、種を食べてしまうと、種が喉に詰まったり、喉を通ったとしても、その後「腸閉塞」を引き起こしてしまう可能性もあります。
○主な症状:嘔吐、下痢、呼吸困難、鬱血、最悪 死。
⑦キシリトール
具体的には、ガムやキャンディ、歯磨き粉などが挙げられます。
それらを食べてしまう事により、体内にインスリンという成分が大量に分泌され『低血糖』を引き起こしてしまいます。また、キシリトールには肝臓に悪い物質も入っており、『肝不全』になる原因のひとつでもあります。
○低血糖の主な症状:嘔吐、無気力、脱力感、痙攣、運動失調
○肝不全の主な症状:嘔吐、下痢、食欲不振、黄疸など。
⑧アルコール
人と違って、アルコールを分解する能力がかなり低いうえ、脳と脊髄に影響を及ぼします。
○主な症状:嘔吐、よだれ、低体温、昏睡、呼吸困難、最悪 死。
食べてしまった時の対処法

動物病院に連れて行く
すぐに、かかりつけの動物病院に連れて行きましょう。連れて行く前に、一度電話をしていくと尚良いかもしれません。
電話をする際は、『何を』 『どのぐらい』 『食べてどのぐらいの時間が経過しているのか』 『今の体調はどうなのか』を伝えると良いでしょう。
場合によっては、緊急で手術になる可能性も十分にあります。そして、手術の準備はすぐにできるようなものではありません。
電話をする事によって、病院に着くまでの間に準備をすることができ、より愛犬が助かる確率が上がるのです。
手術をするまででも無かったとしても、食べたものを吐かせたり(催吐処置)、レントゲン、エコー検査、血液検査などが必要になってくる為、ご自身のメンタルとお金の準備も整えておきましょう。
また、余裕があれば、実際に食べた物を持って行くと、より獣医師も対応しやすくなります。
無理に吐かせない
なぜなら、吐くことができたとしても、嘔吐物が気管に入ってしまい、窒息してしまう可能性があるからです。
「体内で消化される前に吐かせないと!」 その気持ち、分かります・・・。
ですが、無理に自分でなんとかしようとするのでは無く、まずは落ち着いて、獣医師の指示に従いましょう。
犬が食べても良い物

鶏肉(特にササミや胸肉)
消化に良い上に、高タンパクで低カロリーな為、健康的に体型を維持させることができます。
与える際には、何も味付けはせず、しっかりと中が白くなるまで茹でましょう。
焼き芋
食物繊維が豊富で、消化を助けてくれる役割があります。
これも、味付けはせずに、しっかりとふかして与えましょう。
茹で野菜(じゃがいも、かぼちゃ、キャベツ、にんじん、大根、きゅうりなど)
野菜も消化に良く、水を多く含んでいるため、水分補給にもなります。
味付けはせず、しっかり茹でてから細かく刻み、少量ずつ与えましょう。
それと注意点として、茹で汁は与えないようにしましょう(尿路結石の原因となる物質が入っているため)
ポイント
・与えすぎはNG(消化不良で下痢をするため。また、カリカリのドックフードを食べなくなってしまうため)
・しっかり熱を通し、火傷しないように冷まして与える
・普段からドッグフードを食べてくれない子のご飯に混ぜてあげたり、おやつとして与える
まとめ
犬は、飼い主が与える気がなくても、目を話したすきにテーブルの上のものを勝手に食べたりすることがあります。
そうならないように、日頃から愛犬の絶対届かない場所に食べ物を置くことを意識しておきましょう。
また、人間の食べ物の与えすぎは、愛犬がその味を覚えてしまい、人間の食べ物しか食べないようになってしまいます。そうすると、肥満や病気の原因になってしまうので注意が必要です。
もし、食べてはいけないものを食べてしまった時は、まずは動物病院に連れて行きましょう。決して自分だけの判断でなんとかしようとするのではなく、獣医師に任せることが大事です。
人と違って犬は、言葉で伝えることができません。その上、飼い主に迷惑をかけないようにと、きつくても我慢してしまう子もいます。
そして、気づいた時には症状が進んでいて、手遅れになってしまうことだってあるのです。
そうなる前に、日頃から何を食べたらいけないのかを知っておくことは大事ですね。
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